持つべきものは朋

㈱エンビジョン 代表取締役社長 COO/ミッション:「英語が当たり前に話せる世代をつくる」/学校向けオンライン英会話事業/外国語サービス事業/人材派遣事業

英語は「4技能」ではなく「5技能」、いや「6技能」!?

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 日本の英語教育改革が進んでいく中、2020年から小学校5年生の英語が正式な「教科」の1つとなり、先生方は「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を教えていくことになっています。 

 オンライン英会話の会社で、フィリピンと連携しながらビジネスを進めている立場の人間として、英語に必要な技能をブレイクダウンしたときに、個人的には4技能ではないのでは!?と思い、ブログにまとめました。

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 ■ 基本は「4技能」!?

 冒頭にも書いた通り、英語を技能別に分類すると、「聞く=Listening」「読む=Reading」「話す=Speaking」「書く=Writing」で括られているのが大半です。その多くが「これまでは訳読中心で、受信はできたが発信ができていない。スピーキングを中心に発信力・表現力を高めていく必要がある!」という主旨が書かれています。 

 そもそもオンライン英会話の会社をやっている人間として「スピーキング」が注目されることはとてもありがたいことですし、実用的なスキルとして英語を身につけられるのはあるべき姿だと思います。

 ただ、最終的に仕事で英語を使えるようになるということを想定したときに、英語を活用するシチュエーションではもう少し詳細にブレイクダウンする必要があります。

 

 ■ 4技能ではなく「5技能」!?

 文科省から出された次期指導要領*1では、下記の通り、スピーキングを「やり取り=Interaction」と「発表=Production」に分けることで、「5技能」として提示されています。

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 昔、企業の人事担当者に対して営業をしていた頃、「あの人英語ができるはずなんだけど、スピーキングテストの結果がいまいちだったんだよね。。。」と言われ、たまに「おたくの採点ミスじゃないか?」とクレームチックに言われたこともありました(笑)。

 今考えてみると、誰かと会話のキャッチボールができることと、自分の考えをまとめ、一度に多くの人たちに対して発表できるということで、求められる力は変わってきますし、一般的に会社の中で英語をそこそこ話せている人が短い単語やフレーズでテンポよく「やり取り」することはうまいものの、あるテーマについて自分の考えを論理だてて話すことが苦手だったりするケースはざらにあります。そもそもテスト自体がどのスキルを図るためのものなのかをよくよく理解して判断する必要があります。

 

 ■ いやいや、「6技能」!!

 話が若干それましたが、スピーキング自体を「Interaction」と「Production」に細分化させることにはもちろん賛成で、結果的に教育現場で「5技能」を強化していくということは理解できます。ただ、忘れてはいけないのが、もう1つの発信技能である「ライティング」についても、「Interaction」と「Prodction」双方のスキルに分類され、それぞれに求められるスキルが若干異なってきていることです。

 「異なってきている」と書いた理由は、インターネットを活用した情報伝達手段が発達したことで、「手紙」から「E-mail」へ、そして「チャット」へと移行が進みつつあり、それに伴ってライティングにもスピーキングのような「リアルタイム性」が求められるようになってきているからです。 

 英語でのプレゼン資料やレポートなど、「Writing × Production」のスキルが求められることは言うまでもありませんが、社内のコミュニケーションはチャットがベースとなっており、特に距離の離れたフィリピンスタッフとは比較的短い文章で頻度高くコミュニケーションをとることで、スピード感をもちつつ認識のずれが生まれないようにしています。この「Writing × Interaction」のスキルは、スピーキング同様、相手の意図をくみ取り、テンポよくコミュニケーションを進めていくことに重きが置かれます。 

 

 ■ おわりに

 小学校の英語の変化からビジネスで必要な技能について書いてきましたが、スピーキング、ライティング共にリアルタイム性が求められるコミュニケーションがより一般的になっていく中で、それぞれのスキル啓発に必要な教育も考えていく必要があります。当社でも、生徒が6技能を身につけられるためのプロダクトも考えていきたいなと。