持つべきものは朋

㈱エンビジョン 代表取締役社長 COO/ミッション:「英語が当たり前に話せる世代をつくる」/学校向けオンライン英会話事業/外国語サービス事業/人材派遣事業

日本一クレイジーな学校説明会で感じた、学校説明会のあるべき姿

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久々の投稿になりますが、行ってまいりました。日本で最もクレイジーな学校の合同説明会@武蔵野大学附属千代田高等学院

ちゃんとした記事はインターナショナルスクールタイムズさんの記事で出ているので、主観的イベントレポートをしたいと思います。

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はじめに

4校での合同説明会でしたが、一般参加されていた堀井学園の堀井先生が見つかり(笑)、急遽5校での説明会に。学校説明会の順番についてはじゃんけんで決めます。合同説明会も珍しいのに、発表順さえ決まっていないという素晴らしいゆるさです。

【前半】各校プレゼン

じゃんけんの結果を受け、勝った順に、

  1. 青翔開智中学校・高等学校:織田澤先生
  2. 横浜創英中学・高等学校横浜翠陵中学・高等学校:堀井先生
  3. 札幌新陽高等学校:荒井先生
  4. 武蔵野大学附属千代田高等学院:荒木先生
  5. 武蔵野女子学院中学校・高等学校:日野田先生

の順で発表が進んでいきました。

印象的だったのは、日本において学校改革を積極的に進めるトップクラスの先生方が集まっているにもかかわらず、

「改革はやっているけど、中身は課題だらけ」

「大したことはない」

「今日来ている学校さんは皆素晴らしい」

と共通して自校の等身大の姿を包み隠さず伝え、他校を称賛する姿でした。

通常、学校説明会となると体育館に集まり、堅い話を長々と聞かされたり、学校の良いところのみをうまく切り取ってアピールされる類のものが多く、「自分たちの学校に生徒が集まるようにしたい」と思うはずです。

しかし、今回集まった学校の先生方は課題認識を率直に伝えつつ、「生徒にあっていれば正直どこで学んでもよい」というスタンスで、ある種の納得感というか、共感を覚えました。

【後半】座談会

前半の各校プレゼンを受け、後半はビリギャルこと小林さやかさんをモデレーターにパネルディスカッションを行うことに。

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どうしても日本人の志向なのか、会場から質問が出にくかったこともあり、急遽会場に来ていた中学生全員を輪の中に入れて、先生方と話していく座談会形式に変更。

先生方から中学生に対する質問をし、生徒一人ひとりが答えていくセッションになりましたが、この采配が素晴らしく、説明会自体が生徒たちのものに変わっていきました。

 

先生方からは、
「今日なんでここに来たの?」
「都会の生徒にとって、田舎(で学ぶこと)は興味ある?」
「今日の話を聞いて、もやもやしたのか、それともやりたいことが明確になったのか教えて」
といった質問が出ましたが、
参加した生徒たちは全員が臆することなく自分の考えを話していきました。

こういう会に参加する生徒からなのか、非常にしっかりと受け答えをする姿に感心しつつ、参加者は生徒たちの話を優しく見守っていきました。

 

そして、 この会の最もハイライトになったのが、ある女子生徒が自分のことを語りだしたシーンでした。

 「私は今あまり学校に行けていない。去年はほとんど行っていなかったし、今年も休みがちで。。。でも勉強は好きだし、続けていきたい。高校に行くのは難しいと思っていたけど、今日ここにきて、自分もこんな楽しい学校なら入りたいと思った。」


これを聞いた親御さんは思わず涙。それにつられて周囲も、、、会場は優しい空気に包まれました。

学校説明会のあるべき姿

今回の、クレイジーな学校が集まったクレイジーな合同説明会に参加して思ったのは、

  • 生徒やその保護者にとって自分の子どもたちをどの学校に行かせるかについての情報ソースが非常に限られている
  • 親子間での将来やりたいことに関するコミュニケーションってなかなかできない
  • 学校説明会は一方的な情報提供ではなく、双方向・多方向でも良い

ということです。

 

一般的に、進学先の候補としてどんな学校がよいかを調べるときに、どうしても偏差値ベースだったり、学校の表面的な情報しか得ることができず、生徒自身にとって合うか合わないかがおざなりになってしまい、結果的に生徒が環境に合わず、学びを続けることができなくなるという不幸なケースにつながってしまいます。

 

また、子ども側からしても、親に自分のやりたいことを伝えるって、どんな反応をされるのかドキドキだし、それを話すきっかけを作ることさえも勇気がいることなんだなと。

実際に参加された親御さんからも「あの子がそんな風に考えているなんて知らなかった」「初めて聞いた」という反応が多く聞こえてきました。他の大人が入り、何を話しても否定されないんだという空気ができたことで、生徒一人ひとりが自分のことを安心して伝えられたんだなと。

 

さまざまな制約条件はあるものの、学校説明会自体が「学校→生徒・保護者」の一方通行で終わるのはもったいないなと。

おわりに

座談会終了後、各先生方には親子の列が自然と生まれ、どこか晴れやかに、そしてワクワクしながら話されている姿をあちらこちらで目にしました。先生方は「生徒が成長する学校説明会」と例えられましたが、おそらく生徒だけでなく親御さんも成長し、親子の関係が大きく変わるきっかけにになったのではと思います。